2018-03-29

【炎上中】イワニセビッチ:"デルポ、怪我のフリをしていただけ"

今Twitterで↓のツィートが炎上しています。
※↓に続報あり。


        ソース:Twitterより



ラオニッチのコーチで元Wimbledon優勝者のGoran Ivanisevic(以下写真の真ん中)がESPNに対し"デルポトロは怪我したフリをしているだけ。歩くの遅いし。いつもやってること。IWのMilos戦でもやっていたし"




と、とんでもないツィートです😳(※ツィート者は関係ありません)

デルポファンとしてではなく、あくまでテニスファン&週末プレーヤーとしての感想を以下に述べたいと思います。

結論から言うと、今回のデルポトロのトレーナー呼ぶ件についてはまったく合理的な行動だと思っています。







試合をみていましたが、確かにラオニッチが7-5でリードの第1セット終了後デルポトロがゆっくり自分のチェアへ戻り、トレーナー、ドクターを呼びました。ドクター不在のため、メディカル・タイムアウト(MTO)はとりませんでした。第2セット序盤のチェンジオーバーにドクターが到着しましたが、デルポトロは治療を受けることなく薬だけもらいました。どこか怪我をしているのかしていたのかわかりませんが、第3セットで薬を飲んだシーンがありました。想像ですが、インディアンウエルズ(IW)のときから背中にテープが貼っているので背中が痛いのではないかと思います。マシーンじゃないですから、15連戦続きでどこか痛めても不思議ではないと思います。ちょっとでも痛みを感じたら、トレーナーを呼ぶのが自然な流れ。しかも、試合途中ならともかく、第1セット終了後に呼んだわけですから別に問題ないはずです。また、怪我のフリをしているのなら、テーピングだけしていれば良く、薬まで飲む必要はありません。ビタミン剤じゃないんですから。

インディアンウエルズ(IW)のMilos戦でもリアルタイムで見ていましたが、はっきり言ってデルポトロが手首一つ使えない状態でも勝てるほど、怪我あけのラオニッチの試合はそのくらい良くなかったです。(※ラオニッチに悪くいっているのではありません。個人的な感想です。)

でも、今日は違いました。

今日のラオニッチの試合は、とてもハイレベルで、いくつもブレークポイントがありましたし、実際ブレークもありました。デルポトロがドクターを呼んだあとも、ラオニッチは淡々とプレーをしていたように見えました。試合の中盤までラオニッチ優勢でしたし、ラオニッチが勝ってもおかしくない状態だったのです。タイブレークではラオニッチが少し集中力を失っていたように見えました。結果、その大事なタイブレークを取れなかったというわずかな差で負けた。しかし、このようなハイレベルな試合だからこそ、そのわずかな差が勝敗を分けるのです。わずかな実力の差と少しの運が勝敗を分けたと見るべきです。過去の対戦成績で、ラオニッチが過去にデルポトロに2回勝っていますし、今日はデルポトロが勝っただけのこと。ただそれだけ。

変な言い方をしますが、ラオニッチがもし、今日のデルポトロのあれがマインドゲームだと感じていたのなら、ラオニッチはマインドゲームにも相手のテニスにも負けたことになります。

言いがかり??

今回のIvanisevicの発言にはとてもがっかりしています。本人はツィートされることを想定していなかったとは思いますが、事実かどうかわからない以上、例えば個人的にそう思っていても立場上軽々にこういう発言をしないでほしかったですね。


もちろんIvanisevicコーチの悔しい気持ちも想像できます。でも、コーチとしてできることは、ラオニッチに対し、問題点をリストアップし、改善すべきところを探し、コーチングするだけです。

疑惑のMTO

実は疑惑のMTOの話は昔からずっと議論されている話です。ジョコビッチの全豪(対ワウリンカ戦)が有名ですが(内容は割愛)、BIG4に限らずテニス選手ならほとんどみな取っています。問題の疑惑ですが、真偽はわかりませんが、MTOの中にはおそらく「フリ」の場合もあったと思います。中には、プロテクションの場合もあったと思います。見える怪我はともかく、見えない痛みに選手が「痛い」と言っている以上、その場で確かめようがありません。選手を信じるしかありません。

では、そういう場面はどうすればいいのか

仮に相手が「疑惑」のMTOをとっているんだな〜、あいつ休んでいるな〜と思っていてもできることは平常心で自分のゲームをするだけです。それで流れが変わり、自分のゲームができなくなったようなら、それは相手が原因ではなく自分のメンタルだと考えるべきです。テニスに限らず、スポーツ・サイコロジストの職業があるくらい、スポーツはメンタルゲームでもあります。特にテニスのような個人スポーツはメンタルが非常に重要です。とはいっても、メンタルだけで勝てるスポーツではありません。あくまでフィジカルあってのメンタルです。

テニスはMTOさえとれば、勝てるスポーツではないのですよ、イワニセビッチさん。

実例を挙げますと、2016年のバーゼル大会でデルポトロとハーセの試合で、デルポトロがブレークした状態で、プレイ中に突然ハーセが転んですぐに立てないくらいでした。当然、すぐにドクターを呼び、足の治療(テーピング)をしました。デルポトロは心配そうにみていました。試合が再開し、デルポトロが少し動揺したのか、すぐにハーセにブレークバックされました。なーんだ元気じゃん!絶対フリだな!と言わんばかりに怒りを爆発させて、結局デルポトロが勝ちました。実際デルポトロが怒って、放送できない心の声が聞こえてしまった場面がYOUTUBEでみることができます。ここでは紹介しませんが。笑 

もちろんハーセは派手に転んだのはまぎれもない事実ですし、フリではなくプロテクションの目的での治療(テーピング)を受けたんだと思います。でも、真偽わからないけど、MTO直後に元気に走り回っているハーセを見て、心配して損した!と思ったデルポの気持ちも想像できます。でもその後の対応が重要です。ずるい!と思ったら、デルポのようにその怒りを自分のゲームに爆発させればいいだけです。

いまのような、怪我をしないことが奇跡だと思うくらい過酷なスポーツをプレーしてくれる選手に対して、怪我をするな!MTOを取るな!と言えるわけがありません。むしろ、少しでも違和感を感じ始めたらすぐにトレーナーを呼ぶことを勧めたいくらいです。



ゆっくり歩いて何が悪い?

デルポファンではなくても、デルポは昔から試合中、いつもゆーっくり歩くことくらいは知っていますよね。個人的には、急ぐ必要がどこにもないし、ルール違反でもないし、無駄に走ったり焦ったりしたほうがエネルギーを無駄に消費することになり、怪我しやすくなります。自分の時間を最大限に使い、大事なエネルギーをゲームに注いだほうがいいにきまっています。

むしろ、みなゆっくりでいいと思います。ゲームが始まる前に、ゆっくり深呼吸をし、ゆっくり戦略を考え、ゆっくり歩くというルールを作ってほしいくらいテニスは過酷なスポーツです。現在の休憩時間を長くしてほしいです。

ゆっくり歩くくらいでは試合に勝てない

仮にこの「ゆっくり」をTacticsとみなすのであれば、ATPがもっとルールを厳しくすればいいです。(そうした場合、もっと過酷な環境となり選手から大反対されると思いますが)




以上、Ivanisevicの発言に幻滅し、このような長文になってしまいました。デルポ本人とツィートバトルに発展しなければ良いのですが....はたして。。


3/30追記

続報あり。デルポトロはこの件についてESPNに以下のように話しました:

「自分の体のことが気になる時間帯はあるだろう。(僕にとって)フィジカルはとても大事なことだ。昔は体のことを聞かなかったから怪我で何年間も長期離脱したわけだし。(第1)セット終了後にドクターを呼ぶのは、別にルール違反でもなければ、長い時間を取ったわけでもない。それに一回だけだし。ドクターから治療を受けたわけでもないしね。今はすごい疲れている、明日はコートに戻って、今日より良い状態で戦いたい。」

原文:
"Hay veces que el cuerpo te llama la atención y es muy importante lo que siento físicamente ya que lo he pasado muy mal otros años por no escucharme a mí mismo. Llamar al médico cuando terminaba el set estaba dentro de las posibilidades y no me tomé mucho tiempo, fue solo ese cambio de lado. El esfuerzo físico lo hago yo, no el médico y mañana tengo que volver a entrar a la cancha y espero estar un poco mejor para disfrutar porque cuando uno está tan cansado se le hace todo muy cuesta arriba",

英語:
"There are times when the body catches your attention and it is very important what I feel physically because I have had a bad time in other years because I did not listen to myself." Calling the doctor when the set was over was within the possibilities and I did not take a lot of time, it was only that change of side.The physical effort I do, not the doctor and tomorrow I have to go back into the field and I hope to be a little better to enjoy because when one is so tired everything is very difficult up, "

ソース:http://www.puntodebreak.com/2018/03/29/del-potro-defiende-llamar-medico-posibilidades

このブログでも書きましたが、Ivanisevicのいちゃもんともとれる発言には賛同できず、別にドクターを呼ぶのはルール違反ではないし、合理的な行動だからです。しかも、何年間も、何回も、怪我で長期離脱していた選手に対して。普通、あの怪我のトラウマからちょっとでも違和感や痛みを感じたら、ドクターやトレーナーを呼ぶでしょう。ルールが許している以上、その行動に文句があるのなら、ATPに訴え、MTO禁止というルールにでもすればいい。賛同する選手が一人でもいればの話ですが。

余談ですが、私がラオニッチの立場ならこのコーチとの契約を解除するかもしれませんね。いろんな意味でTPOが心配で、グランドスラマーとはいえ、こんな方からコーチングを受けたくないです。



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